ボーイングのC4ISR

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  • C4ISRについて


    C4ISRとは、指揮(Command)、統制(Control)、通信(Communication)、コンピューター(Computer)の4つのCと、情報(Intelligence)、監視(Surveillance)、偵察(Reconnaissance)のことです。

    昨今、変化する安全保障環境のなか、周辺空域の安全確保のため警戒監視、洋上哨戒、防空、指揮通信の機能、すなわちC4ISRを重点的に整備し、防衛体制を充実することの重要性が高まっています。

    この市場ニーズに応え、ボーイングでは、先端のC4ISR関連の製品やサービスを開発・提供しています。それらの製品をご紹介する前に、まずC4ISRの概略についてお話しておきたいと思います。

    新たな防衛ニーズの背景:
    科学技術の急速な進歩、特に情報通信技術の革新的進歩で、世界的な防衛戦略環境が劇的に変化しました。強化されたIT能力によって軍全体がネットワークでつながり、状況認識を共有できるようになったのです。

    そのため、近代的な防衛は在来型の兵器で「1対1」で闘うという時代ではなくなりました。新装備にも在来型装備にも、ネットワーク化の性能が付加され、自軍の装備全体がネットワーク セントリックなつながりを持ち、統合運用へと変化しています。

    冷戦後、地政学的変化で国対国という衝突の構図は崩れ、脅威は1つの特定な国に対してではなく、テロや自然災害のように不規則でこれまでとは異なる新たな ものが出現しました。それらに対応するためには、機敏で柔軟な軍の展開が必要になって特に、監視対象となる地域の正確な情報収集活動は作戦の成功に重要な かぎとなります。C4ISRは、陸、海、空、宇宙からなるシステムで構成され、近代の防衛ニーズに対応します。

    ボーイングの提供するC4ISR:
    ボーイングは、宇宙・空・海・陸そして第5の戦闘空間といわれるサイバー空間における永続的監視・偵察能力を持つプロダクトやサービスを提供しています。これを無人機・民間航空機の軍事用改修型偵察機・サイバーセキュリティーに分けてご紹介いたします。

    無人機:
    ボーイングの子会社インシツ社は2013年、三菱重工と共同でスキャンイーグル一式を陸上自衛隊へ納入、今後その運用評価が実施されます。

    無人機は、運用コストの低減や、任務遂行にかける時間の劇的向上など、軍・民にかかわらず、全ての運用者にとって様々な利点があるということは疑いの余地 もありません。ボーイングでは、無人機新たなビジネス戦略として捉えており、将来の顧客ニーズを理解し、そのニーズに応えるべくとり組んでいます。


    <空からのISR>

    Phantom Eye(ファントムアイ)
    液体水素燃料を使用するファントムアイ(試作機)は、高高度長滞空型無人航空機で、永続的な情報収集・監視・偵察・通信活動を行うことを目的として開発さ れています。アスペクト比の大きな翼を採用した軽量構造プロペラ機で、液体水素を燃料とする先進的な推進システムにより、広域情報収集・監視・偵察活動を することが可能です

    高度6万5千フィート(2万メートル)上空を450ポンド(約203キロ)のペイロードを搭載して、最長4日間の飛行が可能です。その際の搭載物とは、標 準的には監視・追跡・通信用のマルチセンサー一式をさしており、ファントムアイは、適切な装備を搭載することで高高度から400海里(740キロ)遠方の 水平線上の範囲に亘る情報を中継することも可能です。ボーイングでは、ファントムアイの技術をして、さらに大型の高高度長滞空無人機(HALE:High Altitude Long Endurance)を構想しています。この大型HALEは、2,000ポンド(906キロ)以上のペイロードを搭載して1週間、あるいはそれ以上の滞空 性能を有します。高高度を飛行するために、衛星との情報中継機能もあり、副生成物が水だけという点で環境面にも優れた無人機です。

    ファントムアイは2012年6月に初のテストフライトを成功させ、2013年2月にはさらに2回目のテストフライトも成功裏のうちに完了しました。1回目 のテストフライトでは、着陸の際、干ばつ沼に着地して着陸装置を破損しましたが、艦載機であるスーパーホーネットの装置を応用して改善、その成果は2回目 のテストで実証されました。今後、民間テレコミュニケーション運用会社や国防省、ホームランドセキュリティーなど民防両分野での顧客獲得を目指してさらに 開発を進める予定です。


    (2013年 3月 26日)