ボーイングのC4ISR

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  • C4ISRについて - その2


    前号にてもご紹介いたしましたが、ボーイングは、宇宙・空・海・陸そして第5の戦闘空間といわれるサイバー空間における永続的監視・偵察能力を持つ、あら ゆるニーズに応える製品やサービスを提供しており、世界的に逼迫する防衛予算の中でも市場が求める、高い性能を低コストで応えるソリューションを用意して います。

    前号では<空からのISR>に特化し、無人機であるファントムアイを中心にご紹介いたしました。今号では、<空域におけるC4ISR>をはじめ、宇宙空間、地上、海上・海中、ネットワーク空間におけるC4ISRご紹介させていただきます。

    空域におけるC4ISR
    空中早期警戒機
    ボーイングは、空域におけるリアルタイムでの情報収集や監視を実現しています。民間航空機737型機をベースにした空中早期警戒管制機 (AEW&C)のミッションシステムは、戦闘空域における脅威を常に監視し、高度な作戦計画や陸・空部隊の指揮統制に役立てることができます。
    また、767型機をベースにした早期警戒管制機(AWACS)は、費用対効果の高いアップグレード機能を活用することで、信頼性を向上して戦闘空域での任務遂行能力を拡大、ライフサイクルコストも低減しています。

    無人機
    ボーイング製の無人機システムは、軍・民用ニーズに応えます。ボーイングの子会社であるインシツ社製小型無人機スキャンイーグルは、無人機として最長の飛行時間記録を保持しており、米軍とその同盟国に優れた状況認識力と高いコスト効率を提供しています。

    世界各国から高い評価を得ているスキャンイーグルの発展型であるインテグレーターは、現在、米海兵隊が偵察用に運用しています。インテグレーターは、ス キャンイーグルの2倍のペイロードを搭載でき、スキャンイーグル同様20時間以上の滞空性能を誇ります。価格的にも優れ、滑走路を必要としない優れた無人 機です。

    宇宙空間におけるC4ISR
    ボーイングは、米空軍防衛研究所とともに、周回低・中軌道、静止軌道における状況認識用技術の開発を推進している他、政府機関や民間企業向けの宇宙空間状況認識サービスを提供しています。

    広域グローバルSATCOM(WGS)システムは米国防省と米国同盟国の高いニーズに応える、高性能な通信システムです。WGSの通信ペイロードは異なる 周波数帯域で運用されるターミナル同士を相互接続させたり、カバーエリアを再配置するなど、軍事的にも重要な柔軟性を有しており、地上部隊への戦術通信や 空中ISR機からのデータや画像送信など、様々な任務に貢献します。

    また、ボーイングは民間の衛星オペレーターとともに、政府機関および民間企業向けにナビゲーション、宇宙での状況認識、衛星中継、地球観測などのプロジェ クトも支援しており、ボーイングの衛星通信用位相配列レーダー技術は、地上車両・航空機・有人・無人システムなどの輸送システムにおける広域通信もサポー トしています。

    地上でのC4ISR
    ボーイングは、南北国境監視活動分野で、長年にわたり米国境警備隊をサポートしています。
    ボーイングのアクティブ監視・探査システムは、天候、日夜にかかわらず視界を確保する事ができ、絶え間ない監視能力を実現しています。また、前線作戦基 地・チェックポイント・離着陸エリアのセキュリティーにおいても、ボーイングは全天候型24時間状況認識体制をサポートしており、バーチャルフェンス(目 に見えないフェンス)機能の確立に貢献しています。

    海上・海中でのC4ISR
    対潜哨戒機P-8は、737型機をベースにした世界最先端技術による海洋巡視用ジェット機で、優れた航続距離・速度・行動半径を持ち、高度なセンサーと通信技術を統合した兵器を装備、ボーイングが開発した音響システムも搭載しています。

    また、ボーイングの海洋監視航空機(MSA)は、P-8や他機の哨戒能力を活用する最新のISR機で、つい先頃には、ボンバルディア製チャレンジャー605をそのプラットフォームに採用することを発表しています。

    サイバー空間でのC4ISR
    ネットワーク内の状況をリアルタイムで認識し続けることはサイバーセキュリティーにおける初歩です。ボーイングは、自社の高度な知的財産を守るため構築し たサイバーセキュリティー能力に基づき、政府や民間企業のネットワークの脆弱性の確認、ネットワークトラフィックの監視、ネットワークへの攻撃に対するリ アルタイムな認識、データ分析、対処など、エンドツーエンドのソリューションを提供しています。

    ボーイングのサイバーセキュリティー演習装置であるCRIABは、サイバーレンジと呼ばれる演習用仮想空間の中にネットワークを模擬し、そこで攻撃者と防 御者にわかれて現実さながらの環境でサイバー攻撃・防御の演習が出来る装置です。仮想空間でサーバーやネットワーク機器を含む大規模なITインフラを模擬 することが可能で、様々な攻撃を想定した演習を繰り返し実施することができるため、低予算で効率的かつ実践的な専門家育成を目指すことが可能です。


    (2013年 12月 11日)