ランディのブログ

当然視が許されない航空機の安全性

受注・納入に関する2017年の業績が数日前に発表され、報道では競争状況がさまざまに語られています。しかし、こと安全に関しては競争は存在しません。なぜなら業界全体で事故ゼロという同じ目標が共有されているからです。

先週末、トルコで起きた事故のニュースをご覧になった方も多いでしょう。滑走路脇の崖の途中で航空機が止まった写真は衝撃的でした。その一方で、事実を正しく捉えておくことは重要です。

2017年は商業航空史上最も安全な年になりました。これは、この20年間、旅客機の事故が減少傾向にあることを反映しています。航空事故のデータを集計するアビエーション・セーフティー・ネットワーク(ASN)によると、2017年は民間ジェット旅客機の事故がありませんでした。

しかし、全種類の航空機の集計結果を見ると、昨年は10件の死亡事故があり、乗客乗員は44名、地上では35名が死亡しました。ASNの集計によれば2016年は事故が16件、死亡者数が303名でした。

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2017年の結果は前年に比べて大幅に改善されましたが、取り組むべきことはまだまだたくさんあります。開港予定の空港と旅客の数はますます増えていますので、これまで以上に安全への注力が必要になっています。

国際民間航空機関(ICAO)が採用した安全管理システム(SMS)というプロセスがあり、ICAOの全メンバー国は現在、航空業界全体でSMSの導入を進めています。SMSは、ボーイングを含む民間航空の全ステークホルダーにとって共通の航空安全枠組みを確立するものです。

SMSに関するボーイングの目標は、設計から製造、アフターマーケットでのサポートまで、私たちが納入する各航空機のライフサイクル全体を通じた改善を進めることです。ボーイングの安全システムと業務に対する連続監視と定期点検を通して、潜在的な問題を先に見つけることができます。従業員トレーニングもこのプロセスに組み込んでいます。

ボーイングのエアプレーン・セーフティ・エンジニアリング・グループのデピュティ・チーフであるダグ・ビッグスは、「ボーイングと業界全体による安全への取り組みは、素晴らしい成果をもたらしてきました。けれども、自己満足して成功に浸るわけにはいきません。航空機の安全性は決して当然視してはいけないのです」と語っています。

私たちは安全についてただ話すだけではありません。安全はボーイングの企業文化に組み込まれています。安全に関しては一切の例外を認めない、すなわち事故ゼロを目標としていて、それは不変なのです。

ボーイングは毎年、民間ジェット機事故の統計資料(リンク先のPDF資料は2016年版、英語)を発行しています。2017年版は今夏発行の予定です。

航空の安全性に対するボーイングの取り組み全般については、下記サイトで詳細をご覧ください。
http://www.boeing.com/company/about-bca/aviation-safety.page

Posted on 18 January 2018