スキャンイーグル無人航空機

スキャンイーグルは、滞空時間の長い自律型無人偵察機で、ボーイングの100%子会社であるインシツ社(Insitu Inc)によって開発され、2004年に米海兵隊が、翌2005年には米海軍で運用を開始しています。

低コストで滞空時間が長く、昼夜を通した情報収集、偵察、監視活動を実行することが出来、官・民を問わず、様々な用途で柔軟かつ迅速な運用が可能です。

翼幅は約10フィートで、空圧式のカタパルトから発射、帰還したスキャンイーグルは、「スカイフック」と称する50フィートの高さのタワーからつるしたケーブルで捕捉することから、離発着用の滑走路を必要としません。

飛行は、事前に入力されたプログラム、あるいはGPSと搭載されたフライトコンピュータを利用したオペレータの操作によって行われ、滞空時間は24時間以上、30時間以上のミッションへの対応も可能です。

デザインはモジュール式で、信頼性、順応性の高い仕様となっています。運用や保守も簡素化しており、アップグレード用キットにより、短時間で新機能を搭載することが出来ます。

スキャンイーグルは、電子光学あるいは赤外線カメラを搭載し、厳しい環境下での飛行が可能です。各種赤外線画像装置から直接通信可能な範囲を拡張するCRP(Communications Relay Payload)まで、多岐にわたるオプションの適用も可能です。

また、運用現場のニーズに応えた数多くの新技術が搭載されており、2006年には、重燃料エンジンによってロジスティクスやシステム機能を向上、2007年にはハッシュ・エンジンによって音響信号の軽減を実現(特に夜間や悪天候下で)、2009年には高出力発射機により高高度、低密度下での発射性能を高めています。

他にも、上空で他機体との衝突を回避するエンコーディング・トランスポンダー、遠隔ビデオ端末の相互運用、改良型燃料計測システム、遠距離探索用の自動船舶識別データ受信性能、NATOのSTANAG4586スタンダードへの適合などをはじめとして数多くの改善が施されており、すでに実証されているスキャンイーグルの信頼性をさらに向上しています。

機体仕様
全幅 : 3.11m
全長 :  1.37m
機体重量:13.1kg
最高速度: 秒速41m
滞空時間:24時間以上
発射 : 空圧式ウェッジカタバルト
着艦 : スカイフック捕捉システム