商用有人宇宙船CST-100スターライナー

ボーイングのCrew Space Transportation(CST)-100は、国際宇宙ステーション(ISS)との間を往復する21世紀の宇宙カプセルです。米航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル後継機プロジェクトである商用有人宇宙船開発計画(Commercial Crew Program)の一環で開発され、最大7名の乗客、または乗組員と貨物を混載して、低軌道上にあるISSやビゲロー・エアロスペースが計画中のステーションなどへ輸送することができます。船体は革新的な無溶接設計で、船内にはボーイングのLED照明「Sky Lighting」や無線インターネットが備えられているほか、乗組員用にタブレット型の操作パネルが採用されています。ボーイングは2015年9月、このCST-100を「スターライナー」と命名しました。

2019年12月20日、スターライナーはフロリダ州ケープ・カナベラル空軍基地から打ち上げられ、同月22日、米陸軍のホワイトサンズ・ミサイル実験場に着陸しました。初の無人軌道飛行試験となったこの飛行では多くの飛行実験を行い、数十個のセンサーを取り付けた人型実験ロボット「ロージー」から多数のデータを収集しました。

ボーイングとNASAは、スターライナーによる2回目の無人軌道飛行試験を2021年8月3日に予定しています。

スターライナーの最新情報は下記サイト(英語)でご確認いただけます。
Starliner Updates

 

革新的な設計特性

革新的な設計特性

 

再利用可能なカプセル
再利用可能なカプセル
実績あるパラシュートとエアバッグシステムを着地用に装備。カプセルを最大10回、再利用できます。
自律ドッキング
自律ドッキング
完全な自律航行が可能で、それによって乗組員のトレーニング時間を短縮できます。
座席数は7名分
座席数は7名分
船内は乗客7名が快適に着席できるように設計されています。また、乗組員と貨物を自在に組み合わせて収容することも可能です。NASAの現在の仕様は乗客5名プラス貨物となっています。
旅客機の客室内照明を採用
旅客機の客室内照明を採用
乗客の快適性を高めるために、787/737型機で採用されたLED照明「Sky Lighting」を装備。開放感のある空間を作り出しています。
手動制御に対応
手動制御に対応
民間航空機業界のベストプラクティスが採用され、緊急時にパイロットが手動で制御することもできます。

 

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