787ドリームライナー初号機がセントレアにやってきた!

  • 787ドリームライナー初号機(ZA001号機)を中部国際空港株式会社に寄贈


    ボーイングはこのほど、787ドリームライナー初号機(ZA001号機)を中部国際空港株式会社に寄贈することを決定しました。同機はシアトルのボーイング・フィールドから最終フライトに出発し、2015年6月22日13時01分、ほぼ定刻通りに中部国際空港 セントレアに到着しました。

    787ドリームライナーの機体の35%は中部地域に拠点を置く日本企業によって開発・製造されています。またボーイングは、米国外では唯一のドリームリフター・オペレーションズ・センターをセントレア内に設置。ここで日本のパートナー企業が製造した787型機の翼や胴体を大型貨物機ドリームリフターに載せ、シアトルの最終組立工場まで運んでいます。中部国際空港、そして中部地域は、いわば787ドリームライナーの生まれ故郷なのです。

    ZA001号機は2009年12月15日の初フライトから約5年半後のこの日、セントレアをはじめANA、JALのスタッフの皆様、そして数多くの航空機ファンの皆様による温かい出迎えを受け、最終フライトを無事完了しました。





    セントレア川上社長とボーイング ジャパンのマフェオ

    1,000人以上のギャラリーの前に時間通りに到着

    テスト飛行は計525回以上、合計1,363時間

    今後は若年層への啓発・教育活動に貢献

    ただいま&おかえりなさいのセレモニー

    パイロットがサイン入りキャップをプレゼント


    今回のZA001号機の最終フライトを担当したのは、ボーイングに所属する経験豊富なパイロットです。当日はセントレア構内で、ランディ ネヴィル、マイク キャリカー、クレイグ ボンベンの3名によるトークショーが開催され、787ドリームライナーの開発やテスト飛行の模様、テストパイロットという職業、そしてグレーター・ナゴヤへの感謝などについて語りました。

    パイロット紹介
    ランディ ネヴィル機長 ランディ ネヴィル機長
    787ドリームライナーのチーフ・モデルパイロット。787ファミリー全機種に関する飛行試験活動の設計を担当し、現行機種と派生機種の設計要件の定義などに携わる。米空軍に20年勤務後、ボーイングでF-22のテストパイロットを9年務め、2005年から787プログラムに参加。初期開発、787-8型機、787-9型機の初飛行のほか、2011年には787ドリームライナー初号機(ZA001号機)のパリ航空ショーお披露目に参加し、ベルリン、ワルシャワ、ソウル、釜山を巡回。ドリームライナーのワールドツアーでは、プライマリーパイロットの一人として1区間を除く全行程を飛行した。
    マイク キャリカー機長 マイク キャリカー機長
    エアプレーン・デベロップメントと777Xのチーフパイロット。2003年に787型機のチーフ・モデルパイロットに就任し、787ドリームライナーの飛行試験を1100時間以上担当。2009年12月15日にはZA001号機の初飛行で機長を務めた。米海軍でA-7EやF-18のパイロットを務めた後、プロダクション・パイロットとしてボーイングに入社。2010年には、テストパイロット協会(The Society of Experimental Test Pilots)から、飛行試験を通じて優れた成果を残したテストパイロットに贈られるアイヴン・キンチェロー賞を、2013年には、航空博物館(米シアトル)からアビエーション・パスファインダー賞を授与されている。
    クレイグ ボンベン機長 クレイグ ボンベン機長
    ボーイング テスト&エバリュエーション(BT&E)部門フライト・オペレーションズ担当バイス・プレジデントでエンタープライズ・チーフ・テストパイロット。ボーイングの民間航空機と軍用機の開発や生産に関する飛行試験など、すべての飛行業務についてその運営を指揮し、経営面から監督。海軍勤務後、エドワーズ空軍基地にある米航空宇宙局(NASA)のドライデン飛行研究センター(現アームストロング飛行研究センター)でリサーチ・テストパイロットを務め、ボーイングにはプロダクション・フライト・テストパイロットとして入社。787ドリームライナーでは、ZA004号機の飛行試験の設計、ZA001号機の初期耐空性試験の設計を指揮した。


    (2015年 6月 23日)