ランディのブログ

航空貨物成長の勢いは2018年も継続

次の路線に共通することは何でしょう? 米国テネシー州メンフィス – 中国広州線、ルクセンブルク – 東京線、ドバイ – 米国ケンタッキー州ルイビル線の3つです。

答えはこのブログエントリーのタイトルから見当が付くかもしれませんね。この3つの路線は、世界トップの貨物輸送会社が、世界中で増加しつつある航空貨物サービスへの需要に応えるために今年開設した新路線の例です。航空貨物分野が力強さを回復し、航空業界の、さらに言えば、より広い経済の重要な一部として有望になっています。

ボーイングではセールス&マーケティングチームが世界中で活動していて、ほかにも年間を通して航空貨物市場を分析する専門チームがあります。私たちはみな同じメッセージを受けています。それは、オペレーターは航空貨物機を増やしたい、さらには、思うようにすぐに航空機を入手できない、あるいは引退させた機体の使用を再開するというお客さまもいる、というものです。

今週、ボーイングが767型機の生産レートを2020年に月産3機に引き上げると発表した背景には、こうした堅調な貨物需要があります。今回の引き上げは近年で3回目、 2016年はじめに比べて倍増することになります。

エバレット工場(ワシントン州)の767型貨物機生産ライン

エバレット工場(ワシントン州)の767型貨物機生産ライン

数字を見ると納得できるのです。国際航空運送協会(IATA)によると、航空貨物需要は2017年にFTK(貨物トンキロ)ベースで9%増加しました。私たちの貨物チームは、社内向けの数字では10%近い成長だったと言います。

いずれの数字からも、2017年は、航空貨物分野がまだ大不況から回復しようとしていた2010年以来、最も好調な年と呼べるでしょう。

航空貨物の好調さは2016、17年から勢いをつけ、2018年に突入しています。今年最初の2カ月は需要が8%近く増加しました。

ここで思い出したいのは、ボーイングの貨物チームが、航空貨物分野の年間成長率を引き続き4〜5%と予測していることです。これは、私たちの世界航空貨物市場予測における年率4.2%の長期成長という見込みにも沿っています。3月に見られたように、前年同月が非常に好調だった月は、成長率の伸び悩みが避けがたいため、月ごとに成長率が変化すると予想しているのです。

成長を牽引しているのは何でしょうか? Eコマースの急速な拡大は主な牽引役に見えるかもしれませんが、最大の要因ではありません。私たちの分析では、過去10年間の航空貨物量は工業生産と国際貿易に密接に結びついてきました。ほとんどの例で、大型の貨物ジェット機は資本設備や生産に不可欠な材料を輸送するのに、単純により大きな効果をもたらします。そのため、工業生産と世界の主要地域にわたる貿易が同時に成長している最近の傾向は、航空貨物にとって良い兆候であり、今後数カ月にわたって確かな追い風になります。

注視すべき数字で同じくらい重要なのは、容量の増加です。昨年、航空貨物需要が2桁近く拡大した一方で、容量はAFTK(有効貨物トンキロ)でわずか3%の増加でした。今年も容量を上回る需要が続いています。

需要に追いつくために、貨物輸送会社は新しいジェット機、特にボーイングの大型貨物機を購入しています。2月には米物流大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)が747-8型貨物機を14機、767型貨物機を4機それぞれ追加発注しました。3月にはANAが777型貨物機を2機購入。今月(4月)はカタール航空が777型貨物機を5機追加するという意向書に署名しました。過去2年間で私たちは80機近い貨物機を販売し、現在もさらなる販売活動が進行中です。

ANAカーゴの新しい777型貨物機(CG)

ANAカーゴの新しい777型貨物機(CG)

UPSは今年はじめ、747-8型貨物機を発注済みの14機に追加して新たに14機を発注

UPSは今年はじめ、747-8型貨物機を発注済みの14機に追加して新たに14機を発注

ボーイングは、業界最高の能力を備える新造機と改造機の貨物機ファミリーをそろえています。最大で航続距離が最長の双発機である777型貨物機、貨物機ファミリーの最新メンバーでほかの多くの標準型の貨物機より積載量、航続距離、効率性が優れている737-800BCF(ボーイング・コンバーテッド・フレイター)などです。737-800BCFは、今月中旬にGEキャピタル・アビエーション・サービス(GECAS)に初号機を納入したばかりです。

ボーイングの貨物機ファミリー

ボーイングの貨物機ファミリー

4月中旬に納入された737-800BCF初号機

4月中旬に納入された737-800BCF初号機

貨物機の各モデルについて語り続けることもできますが、また次の機会に取っておきましょう。世界の航空貨物輸送が、厳しかった数年の後に力強く立ち直り、前向きな勢いを見せているのはただただ素晴らしいです。

そこから私たちは、この分野が業界の重要な一部であり続けると確信できます。今後20年間で世界の貨物機は3,000 機以上に拡大し、代替と成長による需要は約2,500 機にもなるのですから。

Posted on 26 April 2018