ボーイング、今後20年間の民間航空機の新造機需要を約4万4,000機と予測
- 新興市場が消費者、競争、投資を原動力に航空輸送の成長を牽引
- 世界の民間航空機は2044年までに約5万機に到達
- 引き渡される航空機の約半数は旧型機を置き換え、機材の効率化を世界中で促進
※当リリースは、フランス時間2025 年 6月 15日に発表されたプレスリリースの翻訳版です。
オリジナル文面はこちらを参照ください。
2025年6月15日 パリ ル・ブルジェ発 ボーイングは本日、パリ航空ショー開催に先立ち、「2025年民間航空機市場予測(2025 Commercial Market Outlook, CMO)」を発表しました。今後20年間の民間航空機の需要は4万3,600機となる見込みで、牽引役として新興市場が世界の航空輸送量の増加に非常に大きな役割を果たします。
新興市場は、中間層の増加、活発で競争の激しい航空路線網、航空分野への持続的な投資により、世界の民間航空機に占める割合が2024年の約40%から増加し、2044年には50%を超えるとみられます。さらに、今回のCMOでは、2020年代末頃に航空機の供給が市場の需要に追いつき、航空会社が機材の更新や拡充を一層進められるようになると予測しています。
ボーイングのコマーシャルセールス&マーケティング担当シニア・バイス・プレジデントであるブラッド・マクマレン(Brad McMullen)は、「今世紀最初の四半世紀の間に、民間航空業界はいくつもの難関を乗り越え、旅客輸送量は3倍に、世界の航空機の保有数は2倍以上に増加しました。民間航空業界はコロナ禍前の成長軌道に戻りつつあり、引き続き新造機への底堅い需要が認められます。回復力は成長を続けるこの業界の特徴であり続けるでしょう」と述べています。
今回のCMOでは、2044年までの予測として主に以下のような点が示されています。
- 旅客輸送量は年間4.2%増加。世界経済の成長を上回るペースが続き、経済規模は2倍以上に拡大する。
- 旅行需要を満たすために航空会社が輸送能力を増強し、世界の民間航空機はほぼ倍増して4万9,600機超に。
- 2万1,000機超の引き渡しによって、現在運航されている航空機の約80%が置き換えられ、機材の効率と輸送能力が高まる。
- 単通路機は世界の航空機の72%を占める見込みで、2024年の66%から増加。主な牽引役は、新興市場の短距離旅行と格安航空会社。
- 全世界のワイドボディ旅客機は、2024年の約4,400機から増加し、約8,320機になる見込み。新興市場の航空会社が長距離路線用機材を拡充していることが、ワイドボディ機の成長を一層促進。
- サプライチェーンの多様化と急送貨物路線網の拡大により、世界の貨物機は3分の2近く(約67%)増加し、新造機と改造貨物機の合計で2,900機が必要に。
航空旅行のトレンドは以下の通りです。
- 航空路線網は、出発地と到着地の組み合わせが10年前と比べて約30%増加し、より便利な直行便の選択肢を提供。
- 消費者が自由裁量所得の使い道として空の旅を優先するようになり、旅行消費額はコロナ禍前の水準に回復。
新造機のサイズ別納入機数(2025〜2044年)
機種 |
機数 |
リージョナルジェット機 |
1,545 |
単通路機 |
33,285 |
ワイドボディ機 |
7,815 |
貨物機 |
955 |
合計 |
43,600 |
ボーイングは1961年から毎年CMOを発表しており、CMOは民間航空業界で最も歴史の長い包括的な分析として評価されています。この市場予測の全文(英語)は、ボーイングのウェブサイト(boeing.com/cmo)でご覧いただけます。